“闇”の誘いは、突然やってきた
当時の俺は、パチンコにどっぷり浸かってたけど、
どこかで「もっと刺激がほしい」って思ってたんやと思う。
ある日、繁華街を歩いてるとキャッチに声をかけられた。
「ネットカジノできるとこあるけど、行ってみーひん?」
完全に怪しかったけど、
どこかで“気になってた世界”でもあった。
違法やってことは、もちろん分かってた。
でもその時の俺には、「バレへんやろ」「一回だけやし」っていう、
甘さと軽さしかなかった。
初めての闇カジノ、そして“大勝ち”
連れて行かれたのは、雑居ビルの一室。
中に入ると、PCがずらっと並んでて、
スタッフが「この画面でネットカジノできます」って淡々と説明してきた。
リアルのカジノじゃない。
ただのパソコン画面。
でも、そこには“簡単に大金が動く世界”が広がってた。
試しにやってみたら──
まさかの大勝ち。
初回で、70万円勝ってしまった。
手が震えた。
心臓がバクバクした。
嬉しさよりも、怖さが勝ってた。
「これ、誰かに見られてたんちゃうか」
「帰り道で襲われへんやろか」
現金をカバンに入れて、逃げるようにビルを出た。
この時の俺は、ほんまに命の危険を感じてた。
遊び感覚が、地獄の始まり
数日たつと、あの恐怖も少しずつ薄れていって、
代わりに残ったのは──
「また勝てるかもしれん」
…そんな考えやった。
そしてまた、あの場所へ行った。
でも今度は違った。
50万円以上、あっという間に負けた。
でも、それでも「取り返せる気」がしてた。
だって相手は画面越しの“遊び”やから、現実味がない。
金が溶けても、なんかゲーム感覚やってん。
借金80万に膨らむまで、止まれなかった
そこからは、もう転がり落ちるだけやった。
勝った記憶にしがみついて、
金がなくてもまた通って、
気づいたら、借金は80万円。
取り返そうとすればするほど、
闇に深く沈んでいった
最初に勝ったあの日が、罠だった
今思えば、あの最初の大勝ちは、
まるで“罠”やったんかもしれん。
「勝てるかもしれん」っていう希望が、
どんどん俺を壊していった。
そして月日は流れ──
借金まみれの俺の前に、ひとりの女性が現れる。
この出会いが、俺の人生に“光”をもたらすことになるとは、
まだこの時の俺は、何も知らない
🕊 脱ギャン父ちゃん|禁ギャン24日目
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